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2006/12/21

仕事に対する温度の違い

最近、富みに感じるのはうちのスタッフとの仕事に対する思いの違いです。


私なんぞは、もう手術室を10年以上やっているし、ある程度のことは
もちろんできて当たり前で、新人として育てられた年代も今とは状況も
手術もかなり変わってきている。

私が育った時代は、先輩や先生の言うことは絶対みたいな変な風習も
あり、仕事につけば「辞めてはいけない」的なところもあった。
個人的には、看護師になりたくてなったわけではなかったし、手術室勤務も
希望ではなかったが、看護師になった以上は、手術室に配属された以上は、
早く仕事を覚えて、口うるさい先輩のサポートなしに、あれもこれもできるように
なりたいと常々思いながら仕事をしたものだった。
手術に関しては、それと同じように、「早くこの外科医に認められたい」とか
「僕(麻酔科医)がいなくても君になら患者管理が任せられるよ」と思ってもらい
たいと言う風に仕事を覚えてきた。


だけど、今の病院に来てからずっと感じていることは、

「この子達は、そういう思いがないのだろうか?」

と、言うこと。


私が自分で振り返って思い起こすと、本当によく勉強したなぁっと思うのは、
2年目~4年目くらいだった気がする。
新人の頃は、『仕事』という面で覚えることが多かったけれど、2年目以降は、
仕事として覚えた手術を、もっと、掘り下げて掘り込んで自分で勉強したものだった。
勉強すればするほど、看護雑誌や看護系の参考書では全然足りなく、医師用の
雑誌から、医学書を買いあさり先生達が術中に話している会話についていきたい
とも思ったものだった。

でも、最近の人たちは、なんか違う...。

私が新人の頃にいた病院には、マニュアル(手術手順)なんていうものはなく、
先輩から借りたノートをコピーし、それに自己流で自分が手術についてから
「ここはこうだった」「あそこはこんな風にした」などと書き込んで、初めて手順書
ができたものだったけど、今は、しっかりと手順書があり、マニュアル化されていて、
しかも、定期的にきちんと更新されているので、ほとんど抜かりなしの状態。
昔のことを考えれば、手術手順を覚えるのなんて、「屁の河童」くらいに出来
上がっている。

新人は、環境に慣れたり、社会人一年生として、色々覚えることもあり大変なので、
手技書を覚えるのも精一杯なのは良くわかるが、それ以降の経験者達が、
どうも私にしてみれば気が利かない部類の人間が多い。


うちの完璧?な手順の世界しか勉強している風でしかないし、2年目以降になれば
それなりに手術は経験しているはずなので、いつもやっているような手術に関しては
もっと気を利かした器械出しや、外回りをしてほしいなぁっと最近ものすごく思う。


例えば、今日にしてもそう。
今日は、心臓の手術の外回りを2年目の子と一緒にしたのだけど、心臓の外回りは
3回目と言う彼女。
A-ラインの介助にしても、導入時の諸々のセッティングにしても、『勉強してきたん?』
『イメトレしてきたん?』っと言いたくなるような動きだった。

合間を見て、「勉強してきたの?」と聞くと、罰の悪そうな顔をして「ああ、はい...」と。
『はい』というのだから、答えられそうな事を選んで
「胸腔ドレーンは何cmで引くの?」と聞くと、
「わかりません」と答える始末。

簡単やろぉ~?このくらい!っと思ったが、彼女には簡単じゃなかったらしい...。

その他も、麻酔の介助についてももう少し気が利いて欲しいと思うことも多々
あったので、私の性格は決して優しくはないし、思ったことはハッキリ言わせても
らうので、

「もう少し、気が利く介助の仕方したら?」

と、言ったら

「どういうところが?」

っと、返された。

「どういうところが?」=「私のどこが?」と、私には聞こえた。

はぁ~~~~~~~~~~~~

しょうがないので、A-ラインの介助や挿管の介助一つにしても、
「この先生は、こういう向きでテープ固定するのが好き」とか
「この先生は、これをやった後には、あれをするのがお作法だな」とか。
器械出しも一緒で、
「この先生がここを止血するのには、持針器に持たせる針の角度はこのくらい」
とか、その先生の癖や好みを知る・見抜くことが大切だと話したら、
まるで『そんなことまで?』くらいの顔をしていた。

これは、当たり前ではないのだろうか?

そういう事を見抜いたり、覚えることも仕事の一つだと私は思っているが、多分、
最近の人たちは、そうじゃないんだろうなぁっと改めて実感した。
しかも、最近はスタッフの成長度がとても低く感じられ、なんだか、
『叱られない程度に仕事をすればOK』的な感じが、ヒシヒシと伝わってくる。

みんな成長したくないのかなぁ?


かと思ったら、今度は6年目くらいの子が、本当に心臓の手洗いが嫌いというか
苦手らしく、冗談まがいに主任にこんなことを漏らしていた。

「心臓の手洗いする人には、ご褒美として好きな手術につくのが選べる権利とか
そういう待遇はないんですかぁ?」

だと。


冗談だったにせよ、私にはとーーーーーーーーーーても頭にくる一言だった。


なぜにここまで頭にくるかといえば、私が今の病院に来た頃は、心臓の手洗いを
するスタッフが限られていて、(まぁ、その頃の心臓外科医も、スタッフを限定する
方針で手術をしていたので、心臓の手術がある日は、休めない・夜勤ない・
交代ない・夜中も関係なく呼ばれるなどの体制だった)私は手術室経験10年選手
ということで、心臓の手洗いもしたことなかったのに、その中に選ばれ、やってきた
経過があったし、その当時は、心臓の前の日は寝ないで勉強もしたし、
飯も食えなかった。
また、運良く?悪く?小児の心臓が導入される時分も、適当な人物と
して何故か選ばれ、西の大学病院まで研修に行かされ、うちで小児が始まる頃には
ずーーーーーーーーーーっと小児の手術につかなくてはならない状況だったので、
客員教授を招いての手術は、土日の休日にすることが多く、今週も来週も休日出勤。
ということは当然だった。
(あ、もちろん代休は発生していますが、メンタル的な休暇はなし)



そんな経過があるので、その発言を聞いた時は、
「じゃあ、私なんか1ヶ月くらい休みをもらってもいいご身分ですが?」
っと、言ってやりたかったが、この話は人づてだったので、言えず仕舞い...。

でも、私が思うに、心臓だろうが、ヘルニアだろうが手術は手術であり、
どれも同じことだと思うが、彼女にとっては心臓は特別なんだろう。
(私にとっては、鼠けいヘルニアの方複雑で難しいんですけど)
いや、彼女だけではなく、周り全体が『心臓の手術は大変』っという固定観念が
あるように感じてならない。
どれも手術なのに。
手順書もあるのに。
決まりごともちゃんと更新されてるのに。


なぜ??



「人それぞれの性格の問題」っと、言ってしまえば話は終了だが、なんだか
違う気がしてなりません。


プロフェッショルという言葉を使うには、自分にも仕事の仕方・知識などなども
まだまだイケてない部分がたっっっっっっっっっっっくさんあるが、せめて、
手術室看護師として働いているからには、手術室内の手技的な部分だけでも
半プロくらいになってほしいっと思う...今日この頃。


国家試験通ってるんだし、一応、プロ(=その道で稼いでる)なんだし。

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コメント

姉さんの気持ち、なんかわかる。
1年目はとにかく必死でその日のことで精一杯で、2年目以降は業務は慣れれば誰でもそこそここなせるようになる。だけどそれは仕事ができるということとは別問題。業務はこなせても、プラスαをつけていかないとね。あるレベルでストップしちゃうはず。そこんとこ勘違いしてるNsは多いと思う。若い人に限らず、経験年数だけ重ねてるだけのようなベテランでもね。教科書以外の専門書、買ったこともないってNsもいた。
無関心というか無感動というか、暖簾に腕押しタイプや、あ~言えばこ~言うタイプとか、響かないNsには多くを求めなくなってしまったよ、私の場合。育つかどうかは本人次第だと思う。
『医療現場は毎日同じことの繰り返しのようでも、患者さんに毎日同じように高い技術を安全に提供してこそプロ。』って、あるDrがTVでいってたけど、Nsもそうだと思う。
父の入院を機に、家族の立場からDrやNsをみる事が多いから、最近、考えさせられます。

投稿: marin | 2006/12/22 00:49

あねごさん、こんばんは。お久しぶりです。でも密かにAiming for International Nurseは楽しく読ませていただいております。後輩に対する思いはみんな同じなのかな?とか感じました。私も働いていた時、同じように最近の子は仕事を覚えることに対して完全に受身体制だったなと思い出しました。業界は全く違えど、じれったい気持ちが痛いほどよくわかります。そして、勉強家のあねごさんを尊敬します。

投稿: しまりす | 2006/12/22 03:53

そうですね。私もいろいろ感じ始めたころに辞めたので、管理職をしている姉さんには強烈に感じられるでしょうね。
私も自分でDrの介助を身をもって怒られながら、育ったので、今の若い人達の姿を見ていると疑問に思ったことがたくさんあります。
イギリスへ来て、数ヶ月でコンサルタントの欲するものを覚え、同僚達に絶賛されたことがあります。こんなこと、数回つけば覚えられることなのに、と思いましたが、特に記憶力の悪いヨーロピアンは覚えたところで、何の特にもならないと思っているのでしょうね。
姉さんのように教えることも仕事の人に言うのも失礼ですが、自分は自分で、あまり気にせず、辞める時期がきたら、さっさと身を引くのがいいかもしれません。最近は若い人も難しいようですし。。。何かまとまりのない文になってしまいました。失礼しました。

投稿: Aya | 2006/12/22 05:35

姉さん、私も同感です。
でもAUSではそんな人ばかりですよ。
(中には気の利く白人もいますが。。。)
何でもっと気を配れないのかねー??
って思うこと多々あり。。。
でもこれも経験から来ることかもしれないし、
まだまだ人間として成長過程にある若者には、
本当に教えることが難しい。
.....つまり今の若者は、辛い経験もあまりしてないんじゃないの?
時代の違いですかね??

投稿: misia | 2006/12/22 14:06

姉さん!アツイ!アツイ!でも、解かる(笑)!

『叱られない程度に仕事をすればOK』という言葉がピッタリな…最近の子(私も最近の子?!)
単なるルーチーンでしか働かないというか、それなら看護師でなくて、ちょっとトレーニングうけたバイトさんで十分じゃない?と思えることもある。

これも「上げ膳据え膳のゆとり教育」の産物なのかしら?

でも、姉さん
姉さんのように「気の利く看護」をしている人って…誰かが絶対みていて評価してくれていると思いまっす。
意外に新人ちゃんとか[best 3 Ns.ランキング]なんてして…よ~く見ていますよね

投稿: ふじパン | 2006/12/22 14:20

みなさん 私の熱い思いに答えていただきありがとうございます。
尚、またに迷惑な書き込みが見られるようになったため、私が確認してからコメントを提載するシステムにしましたので、一度では反映されない仕組みとなったので、ご了承くださいまし。

■marinちゃん
いるいるそういう看護師達。
同じ看護師として、恥ずかしいわ。
国家資格なんだから、もっとプライドと責任をもって仕事してほしいわねぇ...まったく。

■しまりすさん
お久しぶりです!!
PCを変えてから、しまりすさんのBlogURLがわからなくなっちゃったので、来てくださって助かりました。
看護師の世界だけじゃないんですねぇ。
最近の世の中の流れ的な感じなんですかねぇ。なんだか悲しいですねぇ。

■Ayaさん
Drの癖とかなんて覚えるの普通なんですけどねぇ。そうじゃないみたいでビックリですわ。
立場上、気にしないわけにいかないですし、辞めるまでもちゃんと指導することが、経験者としてのお勤めだと思うので、「自分は自分」というのは海外行ってからやります。

■misiaさん
Ayaさんもいってる通り、海外はそういった人が多いんですね。
ま、いないなら私がやって「お前らいらねぇ」くらいの仕事してやります!!(笑)
先に免許取得できることが先決ですが(笑)

■ふじパンマン
アツイ?アツイですか?(笑)
じゃあ、女森田健作くらいに呼んでください(笑)
「ゆとり教育の産物」って言葉、ピッタリだと思います。
20代もすぎて、日本茶の入れ方知らなかったり、葬式の手伝いにカーキー色のセーターとか着ていく馬鹿者ばかりですよ。

投稿: 姉さん | 2006/12/23 11:18

ほんとにいろんな人がいますね。
私もまだまだ駆け出しの新人ですが、
勉強意欲はありますよ。
学生時代から教科書以外の医学書みたいなものも結構買いました。

うちの職場にもたくさん学生がきますが、
仕事ができないくせに看護師に食ってかかってくるような挑戦的な態度の子もいてびっくりです。本人はできると思っているのでしょうね。

もう少し謙虚にそして向上心のある新人が増えてほしいものです。

投稿: あられ | 2006/12/23 13:33

■あられさん
「仕事ができないくせに挑戦的な子」ってわかる~(笑)
性格悪いと思われるかもしれないですが、そういう子にわざと難しい質問して、「そんなことも知らないのぉ~?」的なりアクションしてあげることが大好きです(笑)

謙虚さって言うのは、もう昔話みたいですよ。今は、謙虚の「け」の字もありませんからねぇ。いくら欧米化されてきたとはいえ、そういうところこそ、日本人として残して欲しい人格だと思うんですが。

投稿: 姉さん | 2006/12/24 09:20

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