« Welcome back!! | トップページ | 朝の保養剤 »

2007/11/10

能力を買う…ということ。

大体、どこの病院でも手術室に配属されてきた新人には、新人が育っていく過程を
想定して、教育プログラムの中に担当する手術が段階別に組まれていると思います。

私が育ってきた施設もそうでしたし、今の施設も同じです。

私が新人だった頃は、思い出すのも難しいくらい昔の話になりますが(汗)....。
当時は、ラパ下の手術がほとんどなかったので(ラパコレくらいでした)、
段階としては、
①外来患者に行う生検手術的なものから、Appeやソケイヘルニア根治とか
 扁桃摘出とか。
②開腹の胆摘~胃亜全摘~胃全摘とか。
 整形だったら、腱鞘切開術~骨接合術~髄内釘など。

まだ色々ありますが、大体はこれらを経て、次のステップ(ちょっと難解な手術)へと
進むのですけど。


ここまでは、今日の前置きですが。

私の病院では、翌週の手術のどれを自分を担当すのかが木曜日くらいになると出始め
ます。(新人さんなんかは、それが出るのがドキドキみたいですけど......。)

とある日、私が翌週の手術のチェックをしていると、なんと今年入ったばかりの新人に
食道の手術が付いているので、驚きました。しかも、一人で。
大抵、初めての手術や難解な手術を担当させる時は、先輩とダブルで器械出しに
つく事になっていますが、そこを一人で付けられていました。

たしかに、食道に抜擢された新人は(「Aさん」とします)、新人の中でも出来がよく、
要領もよく、もう新人も入ってきて8ヶ月は経ちましたので、それぞれの能力の「差」と
いうのも出始めていますが、その能力で言えば、断然抜き出ている人です。

早い内から、CHSや人工骨頭の手術、TKA/THAなんかにも付いていましたし、
(2年目でも未だ経験していない子も多い)
やり遂げられる能力は、あると思います。
私は、個人的にもそのAさんとは親しくしているし、ありがたい事にAさんも慕っては
くれているので、仕事の色んな話したり、仕事振りをみていて、「『できる子』だな」とは
思っていました。

最近では、Aさんからも「今は仕事が面白い。目下の目標は、早く心外をできるように
なりたいです」だそうで、是非是非、頑張ってほしいなっと陰ながら応援+フォローを
したりしています。

そんなAさんが、食道の手術を担当する事で、昔の自分の事をふっと思い出しました。

上記に書いたように、新人がこなしていく手術の段階っていうものは、ほぼ決まっている
訳で、食道の手術を担当するのは、当時、私が育った施設では、2年目の夏くらいから
でした。
当時は、時代のせいか(?)ハングリーな人が多かったと思いますが、「自分はもっと
色んな手術を経験したい」っという一つ上の先輩から、同期の子などライバルはたくさん
でしたので、毎週手術の予定表が出ると師長へ希望担当手術の申し込みをするのが、
早い物勝ちみたいなところもありました。
そこで、私が1年目の後半くらいの頃、食道の手術を執刀する外科医から、
「今度の手術は○○さん(私)でお願いするよ」
…というオファーをもらった事を今でも覚えています。
それは、それは、私個人として凄く嬉しかったし、その頃は、胃全摘を1~2度くらいしか
経験していなかったけれど、自分の中では『猛勉強して、絶対にやり通してみせる!!』と
言う意気込みが凄かったのを覚えています。

もちろん、色んな手術を経験したいというハングリーな人が集まった職場です。

私に対するバッシングがないわけがありません。

一つ上の先輩からは、『なんであの子が?』『1年目のクセに』…などなど色々言われま
した。
バッシングはあからさまだったけれども、そこは私の性格も幸いしてか、落ち込む事も
なく、『お前らなんてすぐに抜かしてやる!』と必死で勉強しましたっけ。
今思えば、そういう人たちがいてくれたからこそ、必死に勉強もしたし、それが自分の
ためにもなったと思っています。


今回のAさんに対しては、そういうバッシングはないように思いますが、そこはそこで
羨む気持ちも持たない人たちなのか...と、残念にも思います。


Aさんの事だけではないですが、他にも私と同じ役職についているBさんは、経験年数で
いえば10年に満たっていません。
うちの職場には、10年越えをしている人は、Bさん以外に数名いますが、その人たちは
能力がない故に役職に抜擢されていないわけです。
それを彼女達はどう捕らえているのか?
いつもギモンに思います。


「能力を買う」という事は、新人などではAさんのように、大きな手術を任せてみるとか
方法はありますが、経験を積んでくると、やはりその人の能力をどう評価するかという点
では、看護職であれども給与面での評価がほしくなります。

たしかに、役職に付けば、それ相応の手当てという物はつきますが、Bさんの場合、
手当てが付いたところで、年功序列制の給与を支給されている内は、彼女より経験
年数が上の人たちは勝てないのです。
それは、不公平なんじゃないか?と常日頃から思っています。

これも、私が育った病院の話に戻りますが。
私が育った病院では、年に3度の賞与がありました。(今考えるとバブリーですよね)
夏と冬、そして春に期末手当としてわずかながら賞与が支給されていたんですが、
ある年から、その春の賞与を能率給と称して支給されることになりました。

ビジネスの世界では、当然の能率給ですが、日本の看護界では、あまり導入している
ところもないので、結構 当時で言えば思いきった事をする病院だったと思います。
要するに、自己業務評価と他者(師長)評価を行い、師長と個人面接を行い、
総合評価として自分の仕事にランク付けがされていきます。
ランクは、A~Eまであり、Aランクは1.5ヵ月分の賞与、Bは1.25ヵ月分、Cは1ヶ月分
っといった感じに、賞与額が変わっていきます。
このシステムは、個人的に大好きでした。
いくら先輩でも、絶対に自分の方が、働きがいいと思える先輩も当時いたので、
そこでキッチリ評価されれば、もらえる額は違ってくるのですから。

Bさんと給料の話になったときは、いつもこの事を思い出していますが......。


でも、正直な話。
能率給は、看護界でも導入されるべきシステムじゃないかと私は思っています。
例えば、今 もてはやされてる認定看護師なんかも、私の病院では積極的に認定を
取得させたがっていますが、蓋を開けてみれば取得したところで、その人の役割は
増えるが、認定手当ては付かないといった所が現状のようです。
それってどうなんでしょう????

仕事をしていれば、一番大きな評価材料は、やはり給与な訳ですから、みんなそれなりに
生活を抱えて仕事しているわけですし、自分の頑張りが給与という形になって返ってくるの
であれば、励みも出来るはずですし。

今の状態を見ていると、「給与がもう少しほしいから時間外で働きます」「夜勤増やして
下さい」が一番多いと思いますが、それは、それでいいとは思います。
でも、個人の能力やモチベーションはそれでは上がらないわけですよね?
能率給制度を取り入れるのは、難しい問題なのはわかりますが、10年も20年も
経験年数があるだけで、大した中身のない仕事をしている人達が、自分よりいい給料、
賞与をもらっているのかと思うと、ムカついてしょうがありません。

認定を持っている看護師も、せっかく取ったけど負担(仕事量)が増えただけだから、
更新するの止めようかなぁ...なんて声も出しています。
悲しいですよね。
もったいないなぁっと思います。


もっと正当に個人の能力を査定する方法を導入すれば、テキトー・お気楽看護師はいな
くなるはずなのになぁっと思いますけど...。(=質の向上にもつながるんじゃないか?って
個人的には思いますけど)
そういうシステムが導入されていない施設が多いから、渡り鳥のように2年くらい働いて
次の病院…次の病院って移っていく看護師が多いんじゃないかな?とも思います。

|

« Welcome back!! | トップページ | 朝の保養剤 »

コメント

キャリアラダーを基に、能力給はじまっていますよね!
私が最初にいたところは、ラダーの能力判定でカテ室に行かせてもらったり、プライマリーを持ったり、プリセプターをしたり、、それだけが判断基準じゃないけど、使われてました。私も先輩より先にプリセプターやったので、えらい目にあったなぁぁ、、、あと、5年経つとテストがあり、それに受かると給料があがっていましたよ。
毎日女同志のいやな争いもあって、何で自分の能力を伸ばそうとする人をズルズル引き下ろそうとするのか、腹立たしかったのを思い出します。。。
もっと頑張る人にそれなりの評価を与えてほしいよね!!!

投稿: nanao | 2007/11/11 06:17

能力給、私も賛成です。

ほかの人よりプラスαの仕事を多く抱えて、自分の時間を費やしてその仕事をこなす。
そこまでしても他の仕事のない人たちと同じ給料って納得いきませんでした。
がんばっても給料には反映されず・・・。
そんなシステムにも納得いかず疲れて、10年勤務していたところを辞めました。

私もその制度はレベルの底上げにつながるだろうし、もっとプロとしての意識も芽生えるんじゃないか・・・と。

でも、そんな私は派遣をしていて、そういったissueには無関係に近いのですが(苦笑)

投稿: tohco | 2007/11/11 11:29

私の働いている病院では、それぞれの看護師の能力というよりは専門分野があって、
できるだけ同じサービスに付けるようにしてやってる感じです。
それでももちろんランダムに担当する手術を決めらているように思います。
私は入って1-2週間目から前立腺切除術や膀胱全摘除術とかを一人でやらされました。

投稿: あられ | 2007/11/11 12:27

■nanaoちゃん
能力給を導入しているところは、極わずかだと思いますよ。
ラダーはどこでも大抵の施設はやってると思いますが、ラダーだけでは図れないものもあるしねぇ。
難しい。
でも、向上しようとしている人を引きずり下ろそうとする変なヤキモチみたいのあるねぇ。特に看護界。

■tohcoさん
同意見ありがとうございます。
モチベのUpって絶対に必要だと思うんですけど...。それを院内研修とかそういうので補おうとする浅はかさに、ちょっと萎えます。

■あられさん
昔、聞いた事があるのは、海外の手術室は、整形外科担当なら整形外科の手術しかつかないとか...そういう専門的なのは聞いた事がありますが。あられさんのところも、その感じなんでしょうかね?

投稿: 姉さん | 2007/11/16 12:40

いや、そういうわけではないようなのですが、
個人の過去の経験に基づいて、出来る限り得意そうな分野に送られるような感じです。
でも看護師不足のこの時代ではそんなことばかりではありません。
基本的にはどこの科の手術にでも付かなければなりません。

投稿: あられ | 2007/11/18 12:13

■あられさん
そうなんですね。
でも、とりあえずは 海外の手術室で働いているあられさんが羨ましい。私も早くRNになり、日本とUSの手術室の違いを勉強したり、日本で養った自分の技量がどのくらい試せるかやってみたいです!!

投稿: 姉さん | 2007/11/20 19:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Welcome back!! | トップページ | 朝の保養剤 »