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2010/11/29

ちょっと違うんじゃないでしょうか

今日は、看護師国家試験についてのある記事を見つけたので、それについて一言。

以下、要約して記事の内容を書きます。

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経済連携協定(EAP)に基づき、2008年よりインドネシア、フィリピンから日本の看護師免許取得を目指している人達が来日し、今年、初の国家試験を受験した。

受験資格を得た254人が国家試験を受験するも、その合格者は僅か3名(合格率1%)という結果だった。

受験者全体の合格率(日本人)が90%に対し、外国人受験者の合格率が1%であったという結果は、個人の能力以前に試験のあり方に問題があるのではないかという声があり、厚生省は国家試験における用語に関する検討チームを設け、検討を重ねてきた。

その結果、難解な用語を平易なものに置き換える、難しい感じにルビを振る、主語・述語・目的語を明確にするなどの対応策が出された。

この検討は、外国人受験生に配慮したものであり、用語に関してのみであるが、こうした事を機に出題形式や内容がより洗練され、本当の実力を持った看護師(日本人を含む)を生み出す登竜門として機能する事を期待したい。

EPAという経済政策上の思惑を受けてのものではあるものの、これらの看護師たちは高齢。少子化が進む日本を救ってくれる存在ともなりえる存在である。

何より、希望を持って日本を訪れた人々を、対応不足がゆえに、失意と共に帰国させる事があってはならない。

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さて、これを読んで諸外国で看護師の免許を取得した皆さん、または取得しようとしている皆さんはそのように考えますか?

私は、ハッキリいってこの文を読んだとき、「日本とはなんて優しい国なんだ」と思うと同時に、軽く憤りを感じました。
立場としては、私もアメリカで看護師免許を取得しようとしている「外国人受験生」であり、彼女たちと同じ立場であるわけです。

たしかに、日本語は英語などに比べて、主語・述語などが明確でない文章があるように思うし、そういう点を改善するのは是非やってほしい事であるけれども、「難解な用語を平易にする」「難しい感じにルビを振る」というのはちょっと違うんじゃないかなっと思う。

医学用語や看護用語の難解な表現は、自国の国試を受けてきた私たちにとっても難しい物だったし(現に未だに読むには苦労する用語もある)、実際の現場ではその漢字がふんだんに使われ、それを理解してこそ…なんじゃないかと思う。
臨床に出れば、看護記録も正しい漢字を用いて記載しなければならないし、今でこそ電子化が進んでいるから医師の書いた記録も読むに容易にはなったけど、それを振り仮名なしで読めないとなると実際の業務に支障をきたす事にもなるだろう。

その支障をきたす部分は、厚生省はフォローしてくれるのだろうか?

たしかに、日本語は他の国の言葉に比べ、「漢字」「ひらがな」「カタカナ」を用いて表現されるので覚えるのも大変でしょう、特に読み書きに関しては多大な努力を強いられると思うけど…。

違う…なんか違うなぁ。

そんなんやちゃったら、例えばアメリカの試験なんか「英語での医学用語はあなたたち外国人には難しいでしょうから試験は辞書使っていいわよ」というのと同じような事になりかねない。
それは、違うでしょ。

しかも、最後のくだりが私的に気に入らない。
「対応不足のために、失意と共に帰国させるような事があってはならない」

EAPという経済政策の元で外国人看護師の受け入れをする事にしているというバックグラウンドがあるにせよ、試験に受かる受からないが対応不足というのはおかしな話であって、それは個人の知識の問題であり問題が難しい事が原因だと言うのではない。
そもそも、諸外国の外国人看護師の受け入れのソレとは少々違った背景が日本の場合はあるのかもしれないからこういう観点になるのかもしれないが、そんなに(ある意味)優しい対応をしてもらえる外国人受験生がうらやましくさえ思える。
外国人の募集背景に違いはあれど、アメリカのそれはどうだろう?
試験に受からず失意の元帰国せざる得なくなったのとは別にして、試験に合格しているのにもかかわらず、思いっきり政府の対応不足もいいところな仕事っぷりのおかげで働けない人たちの方がどれだけの失意があるものか。

注:「ある意味」と言及した理由は、彼女(彼)らは3年間という期間で合格し、就職を得なければ強制帰国となるからです。アメリカなどの諸外国の外人看護師の受け入れに関しては、決まった期限はなく試験の合否、就職の可否にこだわらず、滞在は当事者本人におまかせ的な流れになっているところがあるため。

EAPを謳いながらも、実際の人員不足を外国人で補おうという視点も少なからずあるわけだから、「人員不足」を補うと言う点に於いては、日本の政府をはじめ、各病院は医療職員のQOLの向上を対策として考慮してくれた方がもっといい結果がでるんじゃないのかなぁっと個人的には思う。

なにはともあれ、日本が外国人看護師を受け入れる事には反対ではないので、是非とも受験志望者には頑張ってほしいと思う。

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コメント

ほんとです。政府は根本的にわかっていない気がします!読んでいて憤りすら感じます。

投稿: toco | 2010/11/30 08:25

同じような内容の記事は以前いくつか読みましたが、ありえんやろ~!って呆れかえりました。
日本語のしかも専門用語の難解さは初めからわかっていたことなのに、今更お粗末な対応策考えちゃって、恥ずかしくなる。
国家的背景が違うとはいえ、アメリカは外国の受験生にこんなに優しくございませんことよ。
看護の国際化とかいいながら、業界内の英語の必要性も薄く拒否感が依然根強いのに、ナース不足を補うために外国人を充てようとするって、矛盾だらけっ。
本当に日本でナースになりたい人は応援するけど、受からなくてもお金はちゃっかりもらえるから資金稼ぎのために来てる人も少なくないと思うので、日本人の税金がそっちに使われるのは政府が甘すぎると思う。そこにお金払うなら、今の現場の人に還元してほしいです。

投稿: marin | 2010/11/30 20:37

以前、ベトナム人の同級生がいました。彼女たちは日本に来る前から日本語を学び学生時代には日本語もほとんど日本人と遜色ないほどでした。確かに漢字・ひらがな・カタカナの習得は難しいですが自分の努力次第でだと思います。私も将来、アメリカで外国人看護師になりたいのでいろんな意味で向上しなければいけないと考えさせられます。

投稿: miz | 2010/12/01 21:08

■tocoちゃん、Marinちゃん、mizさん
海外で看護師をする事を目標としてるとか海外での生活などの経験がある人ならでは、この政府の方針には「???」となることでしょう。
「優しさはためにならず」とはこのことでしょうかね?

投稿: 姉さん | 2010/12/13 22:05

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